市販の介護食11選【2022年版】

市販の介護食11選【2022年版】

2022 ⁄ 04 ⁄ 22

病気や高齢の家族のために介護食作りを始めた方から、

「毎日の介護食の献立作りに追われている」

「せっかく作った介護食をあまり食べてもらえない」

といったお悩みの声を耳にすることがあります。

 

食事作りは毎日のこと。また、食事作りは介護のほんの一部ですので無理は禁物です。

そこで本記事では、市販の介護食おすすめ11選をご紹介します。

市販の介護食は、用事がたてこんでいるとき、介護する方ご自身の体調がよくないとき、また、外出するときなどに大変重宝します。

また、食べる方の「噛みやすさ」「飲み込みやすさ」に合ったかたさや形状、食べる意欲を高めるいろどりなども参考になるでしょう。

介護で大切なのは「がんばりすぎない」こと。市販の介護食を上手に取り入れて、介護される方もする方も、笑顔で過ごせる毎日を目指してみませんか。

▼介護食の作り方についての記事はこちら

 

市販の介護食の選び方

市販の介護食を選ぶとき、どの介護食がよいか迷うことがあるかもしれません。

介護食を選ぶときに考慮するのは、食べる方の「噛む力」「飲み込む力」です。この「噛む力」「飲み込む力」のレベルから介護食を選ぶときに参考になる基準が、「ユニバーサルデザインフード」区分です。

「ユニバーサルデザインフード」は、以下の4つの区分に分かれています。

  • 「容易にかめる」
  • 「歯ぐきでつぶせる」
  • 「舌でつぶせる」
  • 「かまなくてよい」

日本介護食品協議会が定めた規格に適合した、「食べやすさに配慮した」食品には「ユニバーサルデザインフード」マークがつけられています。

介護食の選び方に迷ったときには、まずは「ユニバーサルデザインフード」のマークがついた商品を試して、噛みやすさや飲み込みやすさを確認してみるのもよいでしょう。

出典:日本介護食品協議会ウェブサイト

 

市販の介護食おすすめ11選

ここからは、猫舌堂のおすすめ介護食を紹介していきます。

※各社の商品ラインナップは2022年3月現在のものです。

1.「やわらか亭」シリーズほか|クリニコ

クリニコ「やわらか亭」シリーズは、国産米をやわらかく炊き上げたごはんと、ごはんにかけるソースのセットです。 常温保存でき、温めなくてもそのままおいしく食べられますので、包丁や火を使うことに不安のある方や、外出先でのお食事におすすめです。(2023年3月31日発送分で販売終了)

また、エネルギーや不足しがちな栄養素を調整した栄養補助飲料「クリミール」シリーズや、ゼリー食品「エンジョイ」シリーズほか、多くの種類のラインナップがあります。

さらに、ミキサー食のとろみづけ用の「まとめるこeasy」、飲料のとろみづけ用「つるりんこ」など、介護食を作る手間を減らせる食品も、介護食を食べる方の飲み込む力に応じて活用できます。

商品ラインナップ

クリニコ 公式サイトで詳しく見てみる

 

2.「やさしい献立」シリーズほか|キユーピー/ジャネフ

マヨネーズでおなじみのキユーピーは、日本で初めて市販介護食を発売したメーカーです。

「やさしい献立」シリーズは、食べやすさ、おいしさ、選びやすさにこだわったレトルト介護食です。

なかでも、おいしさへのこだわりはとても強く、食材に合わせた下調理やうまみを引き出す調理をしています。素材のおいしさと出汁のうまみを生かすことで、やさしい塩加減ながら(100グラムあたりの食塩相当量が1グラム以下)しっかりとした味つけで満足感があります。

また、食べる人の噛む力・飲み込む力に合わせ、ユニバーサルデザインフードの「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の全4区分のやわらかさがそろっており、選びやすいのも特徴です。

「やさしい献立」シリーズを使った1週間の献立やアレンジレシピもサイトで紹介されているので、介護食作りに慣れていない方の強い味方になるでしょう。

 

メーカーからのコメント
召し上がった方やご家族からは、「介護食っておいしいんですね」というお声をいただきます。介護食のおいしさを知っていただき、介護食に対する心のハードルを少しでも下げていただけると嬉しいです。

商品ラインナップ

キユーピー 公式サイトで詳しく見てみる

 

3.「あいーと」|イーエヌ大塚製薬

“ I eat ”=自ら食べる、と言う意味の「あいーと」。

「かむ力が弱くなった方向けの食事」「かまなくてもよい食事」の2つのやわらかさが選べる冷凍食品は、電子レンジや蒸し器であたためるだけで、簡単に食べられます。

「かむ力が弱くなった方向けの食事」は、かたい野菜やお肉も舌でくずせるやわらかさです。再形成食ではなく、食材そのものの繊維を酵素の力でやわらかくしています。そのため、見た目は普通の食事と変わらず、おいしさを目でも味わえます。

「かまなくてもよい食事」は、食材本来のかたちではないものの、いろどりや風味が感じられるよう食材ごとに分けて盛り付けられています。酵素の力でとろとろなめらかで、口の中でべたつきにくく、まとまりやすい仕上がりです。

商品ラインナップ

あいーと 公式サイトで詳しく見てみる

 

4.「ソフト御膳」シリーズほか|タイヘイ

宅配弁当大手タイヘイの「ソフト御膳」シリーズは、家庭で調理するのが難しいムース食ややわらか食(ソフト食)を、噛みやすく、「食べる満足感」に配慮して仕上げた冷凍宅配弁当です。

「ムース食」は、食材を一度すりつぶし、べとつかず口の中でまとまりやすいよう調整されています。

「やわらか食」は、根菜などのかたい野菜はやわらかく煮込んだり、繊維の多い野菜を細かく刻むなど工夫されています。肉や魚はスプーンでつぶせるやわらかさに調理されています。

商品ラインナップ

宅配健康弁当「ソフト御膳」シリーズ(ムース/やわらか) ほか

タイヘイ 公式サイトで詳しく見てみる

 

5.「おいしくミキサー」「なめらか定食」ほか|ホリカフーズ

ホリカフーズは、噛む力、飲み込む力が弱くなった方向けのミキサー食、ペースト食、やわらか食や、料理の素材として活用できる野菜のうらごし、くだもののすりおろしなど、常温保存できるレトルト介護食を幅広くそろえています。

商品ラインナップ

ホリカフーズ 公式サイトで詳しく見てみる

 

6. やわらか食|メディケア食品(マルハニチロ)

冷凍食品で有名なマルハニチロが提供する「メディケア食品」ブランドでは、食べる人はもちろん、作る人にもやさしい在宅向け介護食を開発しています。

ユニバーサルデザインフード「舌でつぶせる」区分のムース食がセットになった「高栄養」「おいしさ」「簡便性」にこだわったおかずセットは、朝14品、昼・夜28品と豊富な品揃え(2023年9月現在)。電子レンジで温めるだけで簡単に召し上がれます。

商品ラインナップ

メディケア食品 公式サイトで詳しく見てみる

 

7.「バランス献立」シリーズほか|アサヒグループ食品

アサヒグループ食品の前身「和光堂」がベビーフードでつちかったノウハウを生かし、「”食べる”をずっと楽しく。」を理念にして作った介護食が「バランス献立」シリーズです。

だしの老舗「にんべん」の白だしを使用しているなど、味へのこだわりを感じるラインナップも多数。グルメな方、外食が好きだけれどなかなか外出できない方にもおすすめの介護食です。

商品ラインナップ

アサヒグループ食品 公式サイトで詳しく見てみる

 

8.  ムース食・「とろみ飲料」|エバースマイル(大和製罐)

エバースマイルは、食欲が低下したり食べものを飲み込みづらい人向けに食べる楽しさを提供する、ムース食ととろみ飲料を提供しています。

ムース食は、舌でつぶせるやわらかさのムースが素材ごとに成形されていて、見た目のいろどりもよく食欲をそそります。調味液(あん)とムースを和えながらつぶすことで、よりやわらかくできます。

「とろみ飲料」は、はじめからとろみがついているので、とろみづけの手間が省けます。ホット(約50℃)でもコールド(約10℃)でも安定したとろみが保たれ、安全に飲めます。

ムース食はカップ入り、「とろみ飲料」は再栓可能なボトル入りと、どちらも携帯可能な容器入りなので外出先でも手軽に活用できます。

商品ラインナップ

エバースマイル 公式サイトで詳しく見てみる

 

9.「アイソカル」|ネスレ

ネスレ「アイソカル」は、食事量や飲み込みが気になるときに、少量で栄養が手軽に補給できる栄養補助ゼリー・飲料シリーズです。

栄養補助食品「アイソカルゼリー ハイカロリー」は1カップでおかゆ約1杯分(150kcal)あり、少量で効率よくカロリー補給できます。

栄養補助飲料「アイソカル100」は100mlの飲みきりサイズでご飯茶碗に軽く一杯分(200kcal)のカロリーと、同量の牛乳の約2.4倍のたんぱく質が摂取できます。

飲料は9種、ゼリーは10種そろっており、「つぎはどの味にしようかな」と介護する人・される人の楽しみを増やすことを目指しています。

商品ラインナップ

ネスレ 公式サイトで詳しく見てみる

 

10.「やわらかカップ」シリーズほか|キッセイ薬品工業

キッセイ薬品工業は、噛む力に応じて料理できる「やわらか短めん」シリーズや、ミキサー食・刻み食の代わりに活用できるテリーヌ風「やわらかカップ」シリーズのほか、飲み込みやすいゼリー飲料とろみ調整食品などを多数ラインナップしています。

商品ラインナップ

キッセイ薬品工業 公式サイトで詳しく見てみる

 

11.「快食応援団」シリーズほか|ヘルシーフード

ヘルシーフード「快食応援団」シリーズは、ペーストを舌で簡単につぶせるやわらかさに固めた介護食です。

また、ミキサー食やムース食、ゼリー食を作る際に便利な固形化補助食品、とろみづけに使えるとろみ調整食品の種類も豊富です。商品を使ったレシピも多数紹介されているので、自宅での介護食作りのレパートリーも広がりそうです。

商品ラインナップ

ヘルシーフード 公式サイトで詳しく見てみる


市販の介護食おすすめ一覧

介護食は無理なく、いろどりも楽しんで

本記事でご紹介した市販の介護食は、「噛みやすさ」「飲み込みやすさ」に加えて、味付けやいろどりにも様々な工夫がこらされています。

レトルトの介護食は常温での長期保存に便利ですし、家族の体調がすぐれないとき、さらには災害時の備えとしても心強い味方になります。また、冷凍の介護食は作りたての風味を逃さず、レンジや湯せんで解凍するだけでおいしくいただけます。

食べる人の噛む力、飲み込む力に合わせて、「食べたい」意欲がわいてくるような市販の介護食を上手に取り入れてみてください。

また、食べるときにお気に入りのスプーンを使ったり、ときには外出して食事を楽しんでみるのもおすすめです。

介護で大切なのは「がんばりすぎない」こと。

猫舌堂は、介護される人も、介護する人も笑顔になれる介護ライフを応援します。

「猫舌堂」のiisazy (イイサジー)

がんや麻痺などによって食べることに苦痛を経験した方々が、食べる喜びを取り戻すきっかけを作りたい。そんな思いから看護師やがん経験者のメンバーによってオープンしたのが猫舌堂です。

猫舌堂のオリジナルカトラリー「iisazy (イイサジー)」は、「口を開きづらい」「一度にたくさん口に入れられない」など、食べることの悩みに寄り添い、介護食を食べる方、食事介助にあたる方のどちらもが使いやすいよう設計されています。

口の中に入る部分は1mm単位で削りだし、口の中で感じる微妙なズレを何度も改善しながら開発しました。

生きることは食べること。

食べることは生きること。

家族や大切な人との食事がもっと楽しくなるカトラリーで、「くちびるが感動する」体験をお届けします。

■iisazy スプーン(左)

一般的なスプーンは厚みと角度があるため、口に入れて引き抜くときに上くちびるに「ガチッ」と当たってしまいます。iisazyは薄く平たい設計なので、口が開きづらい方でも口から「すぅー-っ」と引き抜けます。

■iisazyフォーク(右)

iisazyスプーン同様、薄く平たい設計です。幅が狭くフォークの歯が浅いので、パスタなどの麺料理もちょうどよい量を巻き取れます。

イイサジースプーンを詳しく見てみる



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